湯浅誠さんの来訪

2月のある日。起業の時期に多面的に支援してくださった札幌のKさんから久しぶりに電話がありました。

「3月に札幌で湯浅誠さんの講演会の予定があるので、その機会に黄金湯にお連れしたいのですがご都合は?」

え?!

湯浅誠って「あの」湯浅さん?

わざわざ黄金湯で入浴?スゴクないですか?それって…

やっぱ、お湯は浅めですかね?

せっかくの機会なので中頓別でもお話を聞かせていただけませんか?という流れで、3月10日、湯浅さんの講演会としては恐らく史上最小規模のものが黄金湯で企画されました。

その日はなかとん名物の歓迎吹雪の空模様。そもそも中頓別町へ辿り着けるのか?が心配されましたが、さすがKさん。予定時刻より早めの到着で疲れた様子も見せず、黄金湯に集まった10数名の地域の皆さんと対話形式の会に参加くださいました。

黄金湯で湯浅誠さんの講演会

湯浅さんの存在そのものが参加者の刺激になって様々な話題がポロポロぽろぽろと出されます。会場を移して対話は深夜まで続きました。

こんなに平穏な中頓別町が東京のような大都市に出来ることはありませんか?

路上へ出される人たちを別の次元の出来事だと捉えないで欲しい。何故自分達がここで今の平穏な生活を続けられるのか?此処の暮らしに何があったらもっと安心か、何を無くしたら不安定になるのか?そのことをここで考えることが都会で路上に出される人を救うことに繋がります。都会で路上へ出る人たちは戻れない故郷を持つひとが多いのですから。

湯浅さん貧困問題に長く向き合い、社会活動を続けてこられた湯浅さんは、参加者から出される多くの質問に誠実に丁寧に対話を続けてくださいました。

湯浅誠さん

翌朝、雪の中を湯浅さんとKさんは風のように稚内空港へ向かいました。

余韻の残る日常で、対話を反芻し深呼吸をしています。

そう。

つながっているんだよなぁ。中頓別も東京も。多分世界中とも。

カテゴリー: 黄金湯ホールで   パーマリンク

湯浅誠さんの来訪 への2件のコメント

  1. ちぃ。さん より:

    これまでいくつかのイベントに参加させてもらいましたが、今回もとてもいい時間を過ごさせてもらいました。
    あの日からしばらく、湯浅さんや参加者さんたちから聞いたこと・感じたこと・自分の発言したことをぐるぐる思い返したり、さらに思いをめぐらせる時間がありました。
    最近は日常に戻って追われる日々が続いていますが、またあんな機会があるといいなと思っています。

    • 黄金湯主人 より:

      ちぃ。さん
      コメントありがとうございます。そしていつも受身ではないちぃ。さんのご参加とご発言に心動かされています。
      「豊かさ」や「貧しさ」の定義は?人生の価値や幸福感を客観的に測るものなんてあるのか?
      言葉を探すと迷路に迷い込むような、ちぃ。さんの「意思」をみんな受け止め、考えていたように思います。「想いを伝えること」に臆病にならない態度はそれぞれの思考を促しますね。時に明快さが思考停止状態を生むのは、「わかった気にさせられる」からかもしれません。
      気をつけて、雪道のように一緒にゆっくり歩きましょう。本当に、良い時間でした。ありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です