ある吹雪の夜 風がチェロを運んできました。
チェロは大きなケースから雪のような僧職系男子を取り出し、遠慮がちにお風呂の神様へ尋ねました。
「ここで弾かせてもらって良いですか?」
モチロンだとも!今夜は風と一緒に歌おう♪♪ また一つステキな夢が見れそうだな。
それは楽しい、ちょっと不思議な出会いでした。その夜チェロが歌った最後の歌は「蛍の光」。スーパーマーケットやパチンコ屋で客を追い立てる、あのお馴染みの曲。でも、全く違って聞こえる…
その音には、家に帰ってしまうのが辛くなるような、何故かずっと黄金湯でチェロの歌う歌を聴いていたくなるような、やさしく甘い響きがありました。もっと一緒にこのひとときを楽しもう、という誘いのメロディ。「蛍の光」って?そうか。別れの曲なんかじゃないんだ!
あかりを消してもう一曲。
黄金湯のテーマ曲がお湯と一緒にポカポカほかほか待合室に流れ出していきました。
その吹雪の夜から、気まぐれ春風のいたずらのように明るく、不意を突き、チェロは前触れなくやってきています。そして今月、ブログにも!
「次の演奏はいつ?」「さあて…?」
神様にも予知の余地なし
喫茶去さんから5月5日の「チェロと菖蒲湯」のリンクのご了解を頂きました。
どうぞご鑑賞下さい。